無知の知ー知らない事を知っているー
ある時ソクラテスは、アポロンの神様から
「おまえよりも智恵のあるものはいない」
というお告げを受けます。
「マヂかよ!」
と、ソクラテスはその言葉を認めず、街の有名な政治家、軍人、詩人などの賢者を訪ね、彼らと問答して実際に自分よりも智恵のあるものがいるというのを証明しようとしました。
ところが、問答を繰り返しているうちにソクラテスは、彼ら(問答相手)は
「知らないのに何か知っているように思っているんじゃないの!?」
ということに気づきます。
しかし、ソクラテス自身は、
『”自分が知らないのに何か知っているように思っている”ということを知っている。』
という点で、彼らよりもソクラテスの方がより賢いという神託は正しかったのです。
それから、自分自身が真の知を知らないことを知ること(=無知の知)からはじめて真の知を得ることができるとソクラテスは述べ、彼はその「真の知」を求め、ポリス各地で問答を繰り返すのでありました。
― 倫理の授業より ―
姫苺
高校3年のとき、哲学に憧れて選択授業で倫理を選びました。第2、3回目の授業でこの「無知の知」を習ったのですが、教科書を読んだだけではさっぱり意味が解らず、早くも挫折しそうになりました。でも、当時担当してくださった先生が物語風に面白く解り易く説明してくださり、ようやく言葉の意味を理解することができ、「思ったとおり哲学って楽しい!」と思えるようになりました。
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