朝靄の空気のこと

 朝靄の空気のこと 

 朝目が醒めて
 貴方が服を着て
 貴方がドアを開けて
 貴方の空気が薄くなってゆく

 貴方の温もりが残った毛布に顔を埋めて
 貴方が残した マルボロに口付け
 まどろみの淵に落ちてゆく

 再び目が醒めて
 貴方の姿は跡形も無く
 貴方の残したマルボロの香りも消えて
 貴方の空気は 残ってないけど

 目を瞑ると

 貴方の微笑み
 貴方の囁き
 貴方の匂いが

 甦る

 再びあたしは眠りの海に沈んでゆく

 遠くで子供達の声が聞こえる 

 1997-1999 創作

コメント

タイトルとURLをコピーしました