姫苺
黒髪天然パーマが大人っぽい、寒天の妖精カンテンテンと、お団子頭がチャーミングなゼリーの妖精ゼリンリンです。
似て異なるものな二人は、とってもいがみ合っており、毎日お互いを罵り合っている仲なのです。
けれども年に1回、元旦の夜明け前に、二人は共同で、寒天ゼリーをこしらえます。
寒天ゼリーの中には、5大感情「キャンキャン(歓喜)」「ワルイクマ(怒気)」「ノコキー三女(哀切)」「パリイヤ(愉快)」「ワルイパンダ(冷徹)」が封じ込められます。それを朝日が昇る前に、眠っている人々にそっと食べさせて周るのです。
ゼリーを食べさせられた人は、1年間感情豊かに過ごすことができ、夜更かしなどをしたために警戒心の強いカンテンテンとゼリンリンが近寄れず、ゼリーを食べ損ねた人は、感情の起伏があまりない、つまらない1年を過ごすという迷信があります。
仕出しが終わると、二人はまた普段のような罵声を投げかけあい、それぞれの居場所に帰ってゆきますが、お互い本当は、1年に1度のこの日のような関係が毎日続けられたらいいのになと最近思っているそうです。
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