スージー&ミミック

スージー&ミミック
2003年冬 創作
姫苺
姫苺

街中でクリスマスソングが流れ出すこの時期、遠く北の大地ではスージーとミミックの特訓が佳境を迎えます。
サンタクロースは、1日で世界中の子ども達のお家を周らなければいけないので、ミミックは最高時速5403538810㎞/hで空を飛び回ります。サンタクロースも、肉体がこの速度に耐えられるように毎日厳しい修行を積んでいるので、姪っ子のスージーに、空飛ぶトナカイモドキのミミックの足腰を鍛える訓練を委託しているのです。
 野生のミミックは、とっても凶暴で忘れん坊なので、しつけをするのが非常に困難と言われておりますが、スージーの長年の感と卑劣さで、クリスマスまでにはしっかりとサンタクロースのサポートができるぐらいになります。
しつけの主な方法は、ミミックに巨木を引かせることです。足腰の鍛錬もありますが、主な理由は、スージーが楽ちんだからだそうです。
 図のスージーが手にしている丸い緑の物体は、ミミックの大好物の苔煮玉です。日本のマリモをハチミツで甘く煮しめたものです。大好物を目の前にチラつかせつつも決して食べさせないというのも、スージーなりにミミックの精神を鍛えようという心配りからなのですね。
ちなみにクリスマスが終わったら、ミミックを森に返してあげます。スージーは、毎回違うミミックを一からしつけ直し、森中のミミックを手中に収めるのが夢だと静かに語ります。

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