カナコとフランソワ

カナコとフランソワ
2004年5月 創作
姫苺
姫苺

若葉薫る頃の赤い満月の夜、隅田川が真っ赤に染まった時にだけ垣間見れる、5月5日が大嫌いな「カナコ」と「フランソワ」です。
 『男の子の節句「子どもの日」は祝日なのに何故、女の子の節句「ひな祭り」は祝日にされないのか』と不満を申し立てている少女“カナコ”は、『どうしてコイノボリは男らしい鯉しかいないのかしら』と、腑に落ちない“フランソワ“にムシャリと咥えられ、水面に現れます。
カナコが手にした杖は、樹齢5万年の桃の木と、河原で拾った綺麗な石で出来ています。振りかぶった時に、月光に反射してピカーってなり、隅田川沿いの何百匹ものコイノボリが、可愛いピンク色に染まります。
 「子どもの日」を苦々しく思うカナコとフランソワですが、この瞬間だけ、優しい気持ちになれるそうです。

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