今年の夏
僕達は、この小さな部屋で
何を見つけたのだろう
何を知ることができたのだろう
僕は君に全てを伝えられたのだろうか
君は僕に全てを伝えられたのだろうか
「所詮 他人だから」
悲しいコトバで君はその答えを
打ち消したけど
所詮他人の君には
僕のことの半分も伝えられなかった
所詮他人の僕には
君のことを半分も理解することができなかった
この小さな部屋に 今年も夏が来る
君と寄り添っていた時は
暑苦しいとは想うことはなかったけど
君がいなくなって 半分になって、二倍になって
さらに狭く、広くなってしまった部屋に
今年も猛暑は やってくる
猛暑だけがやってくる
遠くでセミが鳴いている
君も僕も泣いている。
1997-1999 創作
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