たった一つの願い

たった一つの願い


朝起きたら真っ黒な羽が生えていて
お気に入りのシャツが着れなくて
裸のまま飛んで行きたい


何も無い大空へと


毎朝毎朝そう願うけれども
あたしは今日もお化粧をして
洋服をきっちり着て


人ごみの中に紛れなければいけないのです


嗚呼、神様
あなたのことは見たことも無く
信じたことも無いけれども
どうかお願いです


あたしに羽を下さい
何処までも飛んで行ける


軽やかな羽を

1997-1999 創作

コメント

タイトルとURLをコピーしました